2008年03月29日

夜桜

明日は花散らしの雨になるかもしれない。

今夜のうちに、満開になった京都御苑の糸桜を見ておきたいと、仕事帰りの歌留多と御所で待ち合わせ・・・・


高野川堤防のソメイヨシノはまだ咲き初めたばかりなので、こちらは次の週末にゆっくり見て回れるなと思いながら御所に向かって歩いていると、夕日がどんどん低くなっていく・・・焦る。


御所の北、桜の園のある近衛邸跡に着く頃は、日はとっぷりと暮れてしまいました。満開の枝垂桜群が本当に美しく、いつもなら人気の無い夜の御苑も、この季節だけは夜桜を愛でる人の黒い影があちこちに見られました。御苑は、ぼんぼりも露店もないので、もう少し遅い時間になって訪ねる人も途絶えたら、桜の精が出てくるような気さえする幽玄の世界を味わえます。ふと何かの気配を感じて、目を凝らすと、白黒の八割れ猫が木の根元にちょこんと座って、私達のほうをじっと見ていました。「やんごとなき猫ちゃん、庶民のお家の子にならないかい」って声をかけたら、すっと闇の中に消えてしまいました。桜の精か、捨てられて人間不信になった猫なのか、、、(キュン)
夜桜に酔って帰路につく頃は、闇はさらに濃くなってきました。すぐそばには、車が行きかうにぎやかな今出川通りがあるのに、ここはまるで1000年も時代を遡ったみたいな趣。「魔界だ!魔界だ!」なんてふざけながら、御所の鬼門に位置する「猿が辻」を通過して、明るい通りに向かいましたが、あの時・・・ちょっと振り返っていたら・・・・きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!いたかもいたかも「魑魅魍魎」

で、一番の楽しみの夕食は、日本庭園の桜を見ながら京料理に舌鼓・・・・・ではなく、京阪出町柳駅前の「ミンミン」で、野菜炒め、餃子、酢豚、ビール、全部で2600円なり。庶民の味は、安くておいしゅうございました。

Posted by kobechan at 23:35 | Comments (4)

2008年03月19日

「春猫」途中経過・・・そして、完成!


先日紹介した春猫の図案ですが、縮緬地に糸目置きをお願いしていたものに、今日はやっと彩色をしてみました。蒸し、ゴム糸目除去等がまだですので、ちょっと濃い色に見えると思います。仕上げの金彩を終えたら、もう少し淡い感じになります・・・・
ここのところ、じっくりと猫額に取り組む時間が無いので、着物の仕事の後ろに猫額用の縮緬を置いて、手が空いた時に少しずつ彩色してきました。7月の「第二回十猫十色展」に向けての、やっと一作目・・・今年は、「12ヶ月の季節の花&猫」をテーマに作ってみようと思っています・・・ということは!!あと11柄ですね・・・・(焦)がんばります♪

同じ柄で地色を変えてみました。どちらがお好きですか?


3月26日 完成しました〜〜〜

淡い桜色のマット紙を楕円に切り抜いてもらいました。楕円にくり抜ける額縁屋さんが意外や少なくて、行きつけの額縁屋さんでは、専門の業者に依頼するので一週間はかかるということ・・・そ・・・そんな・・・桜が散ってしいますよ。。。何件か電話で問い合わせたところ、丹波橋にある「丸栄ガクブチ」というお店が、即日仕上げで作ってくれました。ということで、なんとか桜の季節にぎりぎり間に合いました〜〜!白木の額に入れてみたら、やさしい感じのかわいい猫額が出来上がりました〜〜〜

Posted by kobechan at 23:41 | Comments (14)

2008年03月17日

暖かい週末の出来事

3月15日 暖かく、気持ちのいい週末でした。

  
今年になってずっとお休みしている「手づくり市」でしたが、午後から「みやこめっせ」に用事があったので、少し早目に家を出て、道中の知恩寺「手づくり市」を訪ねてみました。暖かい土曜日とあって、境内は身動きが取れないほどの混雑・・・・いつも私が店開きしている鐘楼脇の早咲きで有名な「ふじ桜」は、、ほころびはじめていました。

「手づくり市」はここ3ヶ月休んだだけなのに、昨年までの情熱的な出店の日々が、遠い昔のことのように思えてきます。来月の出店が億劫なような、楽しみのような、、、たぶん、何も新作が出来ていないせいで迷っているのだと思う・・・・どこかから、せっつくような鞭の音が聞こえるのは、、空耳よね〜!!


人込をかき分けて友人の草木染「ほたる工房」に立ち寄ると、商品はすっかり春の色合いに染まっていました。今回もやさしい感じのセンスのいい作品で・・、とてもおばさんの作品とは・・・ストップ!毛糸物が主流の「ほたる工房」は、私と入れ替わるように、これから秋までは手づくり市をお休みするそうです。

ブラブラと散策中に、かわいい買い物をしました。「Carimbo」という消しゴムはんこ屋さんで、「猫のひたい」用のオリジナルはんこを作ってもらうことにしたのです。通常はその場で彫ってもらって持ち帰れるところを、お店で用意している定型消しゴム以外のサイズを希望したため、郵送してもらうことに。今日、早くも完成品が届き、封筒から出てきたのは、猫の狭い額がシルエットになった1、5×1、5センチのはんこ2個!かわいい図柄でしょ。これから「猫のひたい」で活躍してもらいます・・・って、やっぱり手づくり市を続けるつもりなんかな、、、私(笑)


手づくり市を後にして、午後からは13日にも行った「みやこめっせ」に向かいました。多様な伝統工芸の世界に身を置く、若い職人達の作品展「KYOの躍動〜若き匠の心」が開催されていたのですが、いつも猫額の糸目置きでお世話になっている若い友人が、サブイベントの「作ってみよう!匠の技でエコグッズ」で、「手描友禅風呂敷制作教室」の講師を務めたので、私も助手として参加しました。「友禅体験」の他に、陶磁器マイカップ絵付け、マイ箸制作、扇子絵付けもあり、お年寄りから小さな子供まで、幅広い年代に人気がありました。・・・・私の助手ぶりは、、、あまり上出来ではなかったかもしれませんが、楽しい時間が持てて、誘ってくれた友人に感謝!講師料をくれた主催者にも感謝!(えへ、家で待ってた歌留多を呼び出して、美味しい夕食を食べに行きました。)

Posted by kobechan at 23:17 | Comments (0)

2008年03月13日

友禅競技会

3月13日 「第59回京友禅競技大会」の日でした。

数日前まで彩色していた振袖も展示されているということで、気持ちの良い春風に吹かれながら、岡崎公園のみやこめっせまで出かけてきました。

京友禅は、多くの工程を経て完成するものですから、彩色だけを担当する私は、その後のことは気になりながらも、完成品を見る機会はあまりありません。そんなわけで、一般にも公開する展示会は、私達職人にとっても完成品を見られる絶好の場であり、他の人の手がけた作品に刺激を受ける試練の場でもあります。何よりも、競技会ですから、結果がすごく気になります。・・・・・・・うれしいことに、手がけた振袖の一枚目は、猫の手を借りたのがよかったのかな(笑)、「近畿経済産業局長賞」とかいう立派な賞を頂いてました♪制作の流れの一部分を担当しただけですが、とてもうれしかったです。二枚目のは、残念ながら無冠でした。

会場は撮影厳禁でしたので、様子をお伝えできないのが残念ですが、近々、開催者のHPにアップされたら紹介しますね。受付から会場を覗き込んだ画像だけアップします。

あ、京都新聞電子版で取り上げあられてます。こちら

うれしい春の一日でした。

Posted by kobechan at 23:52 | Comments (7)

2008年03月10日

春の日の花と輝く〜〜

団地の定例理事会の日っ!
理事会は夜7時から11時までに及び、家に戻ってお風呂に入って、ちょっとお夜食を食べたりしていたら、こんな時間になってしまいました(涙)毎回貴重な日曜日の夜が潰されて、しんどいどす・・・「篤姫」が見られないストレスだったりして(笑) でも、しがらみで引き受けた理事の仕事も、残すところあと2ヶ月です。昨夜の集まりは、もう何も問題が起きないように、あくまで穏やかに時をやり過ごし、次期理事会にバトンタッチしようという雰囲気で溢れていました(笑)

で、春の日が燦燦と降り注いだ昨日は、ブログに載せようと、散歩がてら近所の写真を撮ってきたのですが、この時間では、気の利いた文章が書けそうにないので、(普段でも書けないって?)写真だけ羅列しますね。

下鴨神社の参道には、春の光を求めて、画を書く人・馬車で散策する人・ボール遊びをする子供達が見受けられました。

出町の「ふたば」には、名物の豆大福や季節の桜餅を求める行列が・・・

京都御所の梅林には、多くの観光客が訪れていました。カメラ&三脚を手に、ベンチに腰掛けている永遠のライバル風のおじいさんがいい雰囲気でした。

Posted by kobechan at 00:26 | Comments (8)

2008年03月06日

久しぶりの更新 染と織


3月5日昼頃、名残雪が降りました。寒い一日でしたが、今日の雪が、この冬最後の雪になりそうな予感。水分をいっぱい含んだボタン雪は、地面に落ちると同時に消えて行きました。もう春はすぐそこですね。

ずいぶん更新を怠っていてごめんなさい♪ここ数日は一日13時間労働で・・2枚目の振袖に全力投球していました。本日何とか競技会に間に合うように納められて。ホッとしています。そもそも、スーパーをやめて友禅の仕事を再開した時は、知り合いの手伝いくらいにしか考えていなかったのですが、最近めっきり職人が減ってしまったせいか(完全にワーキングプアな仕事ですからね〜〜)、数少ない職人に急ぎの仕事が回ってきます。。。しんどいわ〜〜ん、、、

今日は取りあえず、頭を着物から染額に切り替えて・・・ひさしぶりに猫額の図案を考えてみました。季節感を出そうと、桜の柄とタレ目猫、、、、3月の手づくり市はお休みする予定ですので、デビューは4月の知恩寺になり、完全に季節外れの柄になってしまいますけどね、、、それでも、春が近づくと、桜は染めて見たくなる柄です。おもいっきりきれいな色に染め上げますので、お楽しみに〜〜

話は変わりますが、ずいぶん前に、このブログ取り上げた西陣織の友人のこと覚えていらっしゃいますか?その友人が、昨日のテレビや新聞で取り上げられました。いったいどんな悪事を働いたってか?こちらをごらんください。えへへ、、私が偉いわけじゃないのに、なぜか鼻高々。
そして、40年以上西陣織一筋にがんばってきた友人は、先日無事定年を迎えました。これからは自宅を工房にして、ずっと支えてくれた奥様と一緒に、好きなものを織って暮らしていくそうです。取りあえずは、家族と西海岸に旅行をすると、爽やかな声で電話をくれました。西海岸!!!!・・・・紀伊半島の西・・・白浜ですが(笑)

おつかれさま、たむらっち!


Posted by kobechan at 01:06 | Comments (10)