2005年03月09日

ひだまり


北野天満宮界隈を散策の帰り道、ちいさな町家を改造・・いえ、そのまま喫茶店にしたお店を見つけました。玄関を入ると、京都特有のうなぎの寝床で、土間と畳の部屋が奥の狭い坪庭まで続いていました。京都にやってきて最初に下宿したのが、まさにこんな感じの町家でしたから、懐かしい気持ちが込み上げてきました。

最近は町家ブームで、なんでも東京資本が大店の町家を買収して、次々にレストランに改造していると聞きます。先日行った立派な町家レストランは、古美術に囲まれて立派な庭を眺めながらの食事ができるということで、いつも予約でいっぱいだそうです。往時の呉服問屋の雰囲気が味わえて、料理もそこそこ美味しかったのですが、床の間のある畳の部屋に土足で上がることにだいぶ抵抗を感じました。正直な話、町家を残したいのか、利用したいのか・・・・甘い感傷で語ってはいけないとは思いますが・・・・複雑な気持ち。

今回見つけたお店は、何の改装もなく、土壁もところどころはがれかけた薄暗いお店でしたが、多分西陣織を織っていた家なのでしょう、、、紋紙がさりげなくタペストリー代わりに飾ってあったり、様々な手作り和物がところどころに飾られていて、私には落ち着けるスペースでした。お客は、コタツで本を読んでいる中年の男性、旅行客の若い二人連れだけで、ちょっとシャイな感じの若い女性が、「どうぞ、ごゆっくり」とコーヒーを運んでくれて、後は若い二人の遠慮がちな会話とけだるい午後の陽だまり・・・・

営業終了時間は・・・日没までというのがおもしろいです。お店の名前は「ひだまり」・・・たしかにそんな雰囲気のお店でした。

Posted by kobechan at 2005年03月09日 13:06
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